HDR-FX1とHVR-X1Jとの違いの一つは外部マイク(外付けマイク)の取り付け方にあります。X1Jでは操作パネルの右側にマイクホルダーがついておりそこにECM-670のような単一指向性のマイクを取り付けられるようになっています。ところがFX1には外付けマイク用のホルダーがなく、外付けマイクを取り付けるには内蔵マイクの上にあるアクセサリ取り付け用のねじ穴に別途購入したマイクホルダーを取り付けることになります。
ここにマイクを取り付けると液晶パネルの開閉ができなくなり、あらかじめ開いておくか、閉じたままにしておくかのどちらかになります。また、マイクの位置が高くなり安定感が損なわれるのと、長目のマイクだと、ワイド側に引いたときマイクが画面の中に入り込むおそれもあります。
いずれにしてもX1Jのように外付けマイクを取り付けたいわけです。そこで、調べた結果、FX1のパネルの右側にX1Jと同じようにマイクホルダーを取り付けるためのネジ穴があることが分かりました。しかし、ネジ穴があるだけであってマイクホルダーがそこに直接つくわけではありません。このネジ穴の間隔とマイクホルダのねじ穴の間隔が異なります。また、ねじ穴の大きさも異なるのです。
この部分とマイクホルダーとの間に8mmくらいアダプターのようなものを挟む必要があります。アダプターをパネル側に取り付け、そのアダプターにマイクホルダーを取り付ける仕組みになっています。
X1J用のアダプターとマイクホルダーが手に入れば、目的は達せられます。マイクホルダーは部品として購入することができるのですが、アダプターの方は、単独では購入できません。ハンドル部分と一体になった操作パネルケースごとなら購入可能なのですが費用がかかるのともったいないので腰が引けてしまいます。
アダプターは複雑なものではありません。そこで、自作することにしました。8mm角の樹脂の棒かあるいはアルミの棒を必要な長さに切って加工すればいいのです。金属材料を扱っているところに行けば買えるのでしょうが手近なのところにはないのでホームセンターを物色、使えそうなものを探しました。
見付けたのは引き出し用の取っ手です。これに穴開け加工をした後、適当な長さに金鋸で切断します。切てからだと素材が小さく扱いにくいので原型のままで加工した後切断するのです。
パネル側に取り付ける部分の穴は2.8mm、マイクホルダーを取り付ける穴は2.8mmで開けて3mmのタップを立てます。
パネル側へは2.6mmのビス2本で取り付けます。このビスの頭が残っているとマイクホルダーを取り付けるのにじゃまなので、頭が隠れる程度の深さに4mmのドリルで穴を広げておきます。使用する2.6mmのビスの長さに合わせて深さを調整します。マイクホルダーは3mmのビス2本でこのアダプターに固定します。
外付けマイクですが私はECM-672を使用していますが、このマイクホルダーには若干細く、そのままでは、不安定です。マイクの周りに1mm厚のゴムシートを巻き付けて固定しています。
ECM-672はバランス出力です。それに対してFX1の入力端子はアンバランス接続となっています。そこで、マイク側のキャノンプラグの1番と3番にシールド線のシールド側を接続、2番にシールド線の芯線を接続します。ミニプラグの芯の方に芯線を、シールド側を外側に接続します。シールド線の長さは400mm程度です。
マイクケーブルの接続および加工法についてはこちらをご覧下さい。
X1Jでは、マイクホルダーの取り付け部分の下側にシールド線を固定する金具が着きます。これは、なくても全く問題なく、シールド線をマイクホルダーの上側を通してから、FX1のマイクジャックに差し込めばよいのです。
なお、マイクホルダーはHVR-Z1Jの補修部品として入手することが可能です。消費税込みで2,100円です。部品番号は X-2023-933-1 です。最寄りのソニーサービスステーションに注文するとよいでしょう。
アダプターの頒布は、在庫切れで現在中断しています。