HC3はHC1と違う


ハイビジョン撮影してハイビジョンのまま編集するのなら良いのですが、とりあえずDVモードでPCに取り込んで編集しようというときは、問題があります。

 映像は16:9を4:3に圧縮したもの(スクイーズ)となり、被写体はすべて縦長に変形されます。HC-1では、メニューの「テレビタイプ」で4:3を選択すればアスペクト比を維持してPCに取り込めるのですが、HC-3では不可能です。

 編集後テープに書き出したものは、16:9のテレビで見るか、あるいは16:9のモードを持ったカメラで再生して4:3のテレビで見るということになります。テープを人に渡す場合は相手の再生装置を確認する必要があります。DVDも同様です。

 「テレビタイプ」の変更がILINK出力に反映されないのは、SONYによれば小型化と低価格化で機能を省いたためですす。

 知人から「HC3でハイビジョン撮影したものをパソコンに取り込んだら人物が縦長になってしまったのだけれど・・。」と訊かれ「テレビタイプで4:3に設定すればいい」と答えました。「マニュアルにはILINK出力には無効ですと書いてある」というのです。そこで、私もマニュアルをダウンロードして調べたら、彼の言うとおりです。マニュアルの隅から隅まで見ても、この件に関する記載は一切ないので、「それでも試してみたらどう」と設定変更を勧めました。

 それきりになっていたのですが、後日用事があって訪ねた折、取り込んだ映像を見せてもらうと、問題は解決していませんでした。実際にHC-3を接続していろいろと試してみますが、結果は出ません。

上の図で説明すると、図1のハイビジョンモードで撮影した映像をDVモードにダウンコンバートしてパソコンに取り込むと図3のように被写体が縦長になります。

 FX1やHC1の場合はダウコンバートで3のようなレターボックスでの取り込みが可能です。これは、16:9のハイビジョンの映像の左右をDVの画面の左右の大きさに合わせるようにアスペクト比を保ったまま縮小します。16:9の画面を4:3の中にはめ込むのですから上下に空白ができます。HC-3ではできません。

 Z1JやA1Jでは、レターボックスの他に2のようなエッジクロップでの出力も可能です。これは、16:9のハイビジョンの映像の天地のサイズをDVの高さに合わせ、その際左右のはみ出した部分を切り落としたものです。

 図4の状態はスクイーズといわれるタイプで16:9の画面を4:3になるように横方向を圧縮してあります。DVの16:9で撮影したときと同じです。したがってこの画面は16:9に対応したカメラやデッキで再生するか、あるいは16:9のテレビで見れば図1と同じ映像を映し出すことができます。16:9に対応していない機器で再生すると図4のデフォルメされた状態のままとなります。


帰ってからマニュアルを再度調べ、記載がないことを確認しました。WEBにこの件が取り上げられているかと、検索してみましたが見付かりません。「価格com」の書き込みをみても触れられているものありません。

 ソニーのお客様相談窓口に電話をしました。どうすれば、ダウンコンバートしたILINK出力を4:3(レターボックス)にできるのか窓口では解らず、後刻折り返しの電話で答えが返ってきました。ダウンコンバートしたILNK出力は4:3にならないというのが結論です。

 1回でこの結論が出たわけではなく、こちらの執拗な質問に、窓口の担当者が実際にカメラを動作させて確認してからのものです。このような仕様であるということをしっかりとは把握していなかった模様なのです。

 マニュアルに、「ILINK出力には無効です」と記されているのに、どうしたら4:3でILINKへ出力できるのか尋ねる方がおかしいのでしょうか。HC3がHDV初めてのカメラならこのような質問はしません。これまでのHDR-FX1やHDR-HC1では、ハイビジョンで撮影した映像をSDにダウンコンバートして出力する際、テレビモードを設定することによってスクイーズとレターボックスのどちらでも好きな方を選べるようになっていました。HDR-HC1の後継機とされるHDR-HC3ですから、この機能があるのが当然と考えるのがごく自然です。

 SONYの窓口では、購入するときによく検討すべきだったというのですが、カタログ、あるいはSONYのWEBのHDR-HC3を紹介しているページにこの件に関する記載は一切ありません。紹介ページにあるのは「HDV1080i方式で記録した映像を、DV方式に変換してi.LINK端子経由で出力もできます。」です。

 誰しも、HDR-HC3の出力は、HC1と同じと考えるでしょう。むしろ後継機なので進化してHVR-A1Jのようにエッジクロップがあると考えたかもしれないくらいです。

 調べるにしてもカタログやWEBの紹介ページには「できない」書かれていないのです。お客様相談窓口に尋ねればいいのでしょうが、窓口でさえすぐには判らず、なにやら調べて折り返し電話となるくらいです。あるいはパソコンの編集ソフトでで変換できるものがあるというような始末です。そのソフトは何かと聞いても答えてもらえないのです。

SONYのサイトでHC3に関する記述を調べたところ、「重要なお知らせ」というところにHDV映像のILINK出力に関するものがありました。、
http://support.d-imaging.sony.co.jp/www/handycam/information/info/top_hdv_dvdrecorder.html
「●上記以外のDVDレコーダーをお使いの方
HDV規格で記録した映像をDVDレコーダーに取り込む場合、DV規格に変換することでダビングが可能です。また、DV規格で記録した映像は、DV規格のままダビングできます。 カメラのメニュー設定を以下のようにおこないます。」

 ここから読み取れるのはDVDにはダビングできるということで、そのまま解釈すれば、被写体が正しく表示されるはずです。しかし、実際には16:9のテレビで見る場合に限るという条件が付くのですが、その点が省かれています。4:3の普通のテレビで見ると人物全員が不自然にスマートになってしまいます。

   ダビングできるということは、撮影した映像が変形されずにコピーできるということです。変形されてしまうのはダビングとはいえません。

今回のことで改めて勉強させられました。結論は、カメラを購入するときには使用目的に必要な機能が備わっているかどうか、あらかじめ徹底的に調査する必要があるということです。購入してから不備に気づいたらそれは、調査の仕方が悪いということになります。



 ここで述べているのは、あくまでもILINK出力の際のことです。映像出力端子では問題ないことを強調しておきます。

 


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